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インボイス制度に関してよくあるご質問①

令和5年10月1日からインボイス制度が開始されました。国税庁が公表しているQ&Aのうち、実務をしていてよくいただくご質問を抜粋し、解説致します。

令和5年10月1日以降の取引からは「適格請求書」の保存が必要になりますが、そもそも「適格請求書」とはなにかというご質問が多いため、国税庁の通達をご紹介致します。

(適格請求書の意義)1-8-1 適格請求書とは、法第57条の4第1項各号《適格請求書の交付義務》に掲げる事項を記載した請求書、納品書その他これらに類する書類をいうのであるが、同項各号に掲げる事項の記載があれば、その書類の名称は問わない。
また、適格請求書の交付に関して、一の書類により同項各号に掲げる事項を全て記載するのではなく、例えば、納品書と請求書等の二以上の書類であっても、これらの書類について相互の関連が明確であり、その交付を受ける事業者が同項各号に掲げる事項を適正に認識できる場合には、これら複数の書類全体で適格請求書の記載事項を満たすものとなることに留意する。

上記のとおり、「適格請求書」は「その書類の名称は問わない」とあるため、請求書、納品書、領収書(手書き含む)、レシート等であればその名称を問わず、適格請求書に該当します。

また、「・・・二以上の書類であっても、これらの書類について相互の関連が明確であり、その交付を受ける事業者が・・・適正に認識できる場合には、これら複数の書類全体で適格請求書の記載事項を満たす」と明記されているため、必ずしも1つの書類ですべての記載事項を満たす必要はありません。

下記は、Q&Aからの抜粋です。

国税庁Q&A 問54(適格請求書に記載が必要な事項)

問54 当社は、事業者に対して飲食料品及び日用雑貨の卸売を行っています。軽減税率制度の実施後、買手の仕入税額控除のための請求書等の記載事項を満たすものとして、次の請求書を取引先に交付しています。 今後、適格請求書発行事業者の登録を受け、適格請求書の記載事項を満たす請求書を取引先に交付したいと考えていますが、どのような記載事項の追加が必要ですか。【令和5年10月改訂】

適格請求書には、次の事項が記載されていることが必要です(消法57の4①)。

① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号

② 課税資産の譲渡等を行った年月日

③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象課税資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象課税資産の譲渡等である旨)

④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率

⑤ 税率ごとに区分した消費税額等

⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

このため、貴社の対応としては、次の記載例のように、適格請求書として必要な事項(上記①、④及び⑤の下線部分)を記載することが必要です。

 

上記の記載例のように、今まで発行してきた書類と大きく異なるのは、適格請求書発行事業者の登録番号、税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率、税率ごとに区分した消費税額等の記載が必要なことです。実務的には、レジの設定の変更や、請求書(領収書)等の記載事項の変更などが求められます。

もし上記の記載事項が漏れていた場合は、複数の書類で記載事項のすべてがわかれば問題ないため、相手方から書類の発行を求められた場合はしっかりと対応することが必要です。

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